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大衆中華の実力!
一日中釣り歩いて身体はガタガタ、空腹にめまいを覚えつつ見知らぬ町を通り過ぎる時、とりあえず飛び込むのは大衆中華食堂です。
それは全国に共通する、最も当たり外れの少ない選択肢ではないでしょうか。 そしていつも注文するのはラーメンとチャーハン、そして餃子!←食い過ぎだっつうの! 完食後、冷水を2ℓも飲めば、消耗した体力は一気に回復します。 ところが年齢と共に食事量は減って、定番だったチャーハンは省かれることが多くなりました。さらに過剰な油分と塩辛さもNGですから、今では地方へ出かけても、事前情報なしで中華食堂に入る機会はめっきり少なくなりました。 そんな折、地元の釣り仲間"BRP社"のM夫妻と一緒に出かけた"南南"という大衆中華食堂で、久々に感動的な味と出会えました。 どこにでもあるような目立たない小さなお店ですが、何を注文しても上品な味わいを楽しめます。ご主人の料理人魂というか、妥協をしない心意気のようなものを感じます。 HPは見当たりませんが、こちらで紹介されています。 醤油系ラーメンのスープは、奇をてらうことのない鶏がらベース。それなのに、何ともいえないコクと深みが感じられる上品なお味です。 私的に好みなのは、小エビラーメン(上の写真)。 あんかけのとろみに、プリプリと甘く弾けるような小エビの食感がたまりません。 小エビというには大き過ぎるエビと野菜がたっぷりのしょうゆ味。迷うことなくスープまで完食です。 そして秀逸なのが餃子です。 パリッとした焼面と、むっちり柔らかな皮……そこに箸で小さな隙間を空け、レモンを絞った餃子ダレをしみ込ませます。 そしてハフハフやりながらサクッとかじれば、口の中に広がるジューシーな肉汁。 レモンのせいで油分が口の中に残らず、一度に15個くらいはいけそうですが……。 また一歩、メタボボディ形成へと近付いてしまいそう。 安くて美味しい大衆中華は、 日本の食文化を根底で支えています。 その実力は侮れません! |
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渓魚たちの将来のために
前回のエントリーでは、継代飼育や養殖の難しさ、弊害等についてお話しました。 しかしながら、失敗や現象を恐れたり否定するばかりでは、万事が停滞してしまいます。 世の中、ヤマメを中心に回っているわけではないですが、ヤマメを取り囲む環境や価値観は刻々と変化しています。 そして、人間がヤマメたちの棲む環境に対して必要以上の負荷を与え続ける限り、研究や種苗生産技術の発展を止めるわけにはいきません。 そうした状況に対応すべく、努力を重ねている人たちもいらっしゃいます。 パーマークが汚いとか、黒点が不揃いで数が多いというのなら、それを克服してみせましょうということで、上の写真のような斑紋美人のヤマメが生まれました。 これはある養魚場で続けられた選抜飼育による結果です。 肌艶や色合いが悪いというのなら、ツヤツヤお肌のヤマメだって生産することができます。 放っておけば悪循環に陥るところを、卓越した養殖技術でそれを緩和していくことは可能です。 絶滅の危機に瀕した脆弱な系群を、遺伝的多様性をできるだけ損なわないまま立て直したり、すでに在来系群を失っている水域では(ヤマメの場合、現実的にはそんな水域が90%以上ですが…)、新しい血を導入せざるを得ないことがあります。 かといって、他の地域や間に合わせの魚を持ってくるわけではなく、遺伝的に近いことが予測される系群を利用するのが基本です。 いつの日か、人間の干渉などまったくない健全な状態の自然河川が復活してくれることを祈りたいものです。 そのためには、渓魚たちのことをもっとよく知っていなければなりません。 まだまだ私たちは、ありふれた自然環境から学び取らなければならないことがたくさんあります。 人間の築いた科学の枠組みなど、驚きほど儚く脆いもの。 奢り昂ぶることなく、謙虚な気持ちで自然界と接していくことが大切なようです。 |
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継代飼育の難しさ…
この魚は、昭和41年から40年近くに渡り"箱島養鱒センター"で継代飼育されてきた吾妻川水系産のヤマメです。 以前にも何度かご紹介しているように、陸封の歴史が長く、スモルト化しづらい遺伝子を持つ系群として、とても貴重な存在です。 ご覧のようになかなか肌艶がよく、プロポーションもまあまあですから、ちょっと見ただけではその問題点に気付かないかもしれません。 ところが体側の紋様をじっくり見ると……パーマークと黒点の乱れが顕著です。 ヤマメのトレードマークともいえるきれいな小判型のパーマークはひとつもなく、黒点の大きさやカタチも不揃いで、やたらとその数が多いことがお分かりになると思います。 背中側から見ると、斑点の乱れはさらに顕著に見てとれます。 黒点の流れ方など、何だか別の魚を見ているような気分になってきますね。 もちろん、全部が全部こうなるわけではないですが、養殖や継代飼育を重ねていると、どうしてもこうした個体の出現頻度が高くなってきます。 人間の手による採卵・受精という行為には、当然ながら無意識の選択が働きます。 飼育することで生残率が高くなり、自然界ではすぐに消えてしまうような欠点を有した個体まで生き残ることになります。 そして血が濃くなることで、遺伝的多様性が損なわれ、あらゆる不都合が発生しやすくなってくるのです。 こうした弊害を避けるためには、選抜飼育や外部からの遺伝子導入……という対策を取るしかありません。 しかしそうなっては、純系の遺伝子は失われてしまいます。 このように、人間の手でひとつの系群を健全な状態で維持することの大変さは、並大抵のものではありません。 食料を養殖するための種苗生産とは別の努力や忍耐が必要になります。 しかしこれをやらなければ、雑種化ばかりが進行してしまいます。 地域に適合した系群がいなくなれば、それを補うこともできません。 その結果、外来種や異系群が導入され、さらなる生態系の乱れが発生しやすくなってしまいます。 自然界に生まれ育った美しいヤマメたちは、いろいろな意味で選ばれた者たちなのです。 |
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暖 冬
昨日、真冬の"シャロムの森"へ行ってきました。 もちろん釣りではなくて、雪や氷の冬景色を見物するのが目的でしたが、かの森もまさに暖冬の真っ只中でした。 例えばほぼ同じアングルから撮った2枚の写真……雪景色の渓流は昨年2月11日に撮影したもの。そしてもう一枚が昨日、今年の1月27日に撮影したものです。 穏やかな日並に恵まれて、降り注ぐ陽射しはまるで4月初旬頃の柔らかさ。 森の中は、今にも芽吹きが始まりそうな気配が満ちていました。 日当たりの悪い小さな沢筋に入れば、さすがにそこは氷の世界。 しかし、どこか雰囲気が違うのは、飛沫常時舞い飛ぶ箇所だけに氷が見られることです。水辺や地表から滲み出す水はほとんど凍っていないのです。 枯れ落ちた枝の周囲に取り付く氷は透明度が高く、氷結に相当の時間を要していることが想像できます。 渇水気味の渓には魚が群れ遊び、午後になるとユスリカやオナシカワゲラの羽化が見られました。 そんな自然界の動きに誘われるれように、陽だまりのプールに広がるライズリング……。 いつもと違う冬の光景に、ただただ驚かされた1日でした。 けれどもこのまま冬が終わるとは考えられません。 せめて渇水が回復してくれるよう、あと数回は訪れるはずの寒波に伴う大雪を期待したいものです。 今年はいつもの年より、魚が多いですから!! |
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ニ尺ヤマメ!?
その昔、サクラマスを称して『二尺ヤマメ…』という言葉が頻繁に使われたことがあります。 サクラマスは生活形態が基本的にヤマメと異なるので、その表現は微妙ですけれど…。 しかし、写真の魚は正真正銘の二尺ヤマメです。さ すがにこのサイズになると、ヤマメとはいえパーマークはほとんど消滅して、外観的にはサクラマスに近くなってきます。けれども体色はサクラマスのような銀ピカではなく、渋いシルバーです。また、背ビレや先端や尾びれの外延部は黒くなりません。 残念ながら自然環境で育ったものではなく、養魚場内で偶然発生した個体ではありますが…。 両親は極普通のヤマメの雌雄で…しかも箱島養鱒センターで飼育されている吾妻川水系の陸封系群です。 なのに、どうしたわけか3年を経ても性成熟せず、ひたすら育ってしまった個体なのですね。 栄養が次世代を担うための生殖腺へ行かないで、自分の成長だけに回されますから、どんどん大きくなってしまうのです。 まるで異種間交雑によって出現した最初から生殖能力を持たないF1のように…。 おそらく、染色体異常などの理由があってのことなのでしょうが、成熟しないので性別さえも分かりません。 自然界でも、こんな個体が出現することがあります。 というより、閉鎖的な環境で異常な成長を遂げる個体の多くは、性別の判断がつかないことがよくあります。 その原因が環境ホルモンなどの影響によって生じた"遺伝子撹乱"でなければよいのですが……。 生命の謎は深まるばかりです。 |
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カジカ
"カジカ"ほど愛嬌のある魚はめったにいません。 子供の頃から良い遊び相手で、長い間飼育していたこともありますが、その表情や行動は何時間見ていても飽きることがありません。 一見すると不細工ですが、海水生活する近縁種もいるくらいですから、淡水魚らしからぬ艶やかな色素を持っています。 細かな金粉をまぶした胸ビレなど、うっとりするくらいゴージャスですね。 鱗のない肌の質感も独特ですし、カジカはとても個性的な魚なのです。 しかし、カジカを取り巻く自然環境は、悪化の一途を辿っています。 地方へ出かけて、その地域の魚の話題になったとき、一番よく耳にするのが, 「最近、カジカが少なくなった……」というお話し。 渓流域に生息する肉食性の底生魚類であるカジカは、川床の状態にとても敏感ですから、河川環境の変化を推し量る際にたいへん重要な役割をします。 なぜならカジカの減少は河川環境の悪化と直結し、カジカの増加は河川環境の改善に直接結びつくからです。 渓流魚のように養殖技術が確立され、大量生産が可能ならば、どんなに汚く荒れた川でも放流事業によって一時的に資源量をごまかすことができます。 もちろんカジカも養殖は可能で、食味も優れていますが、渓流魚と比較できるような生産量はなく、まだまだ需要も少ないのが現実です。 箱島養鱒センターで飼育されているカジカは、気の遠くなるような時間を吾妻地方の山岳渓流で過ごしてきた小集団の末裔です。 地味に地道に生きてきた生き物たちは、やはりそれなりの力を授かっているだけでなく、多くの知られざる情報を持っているはずです。 系統保存や養殖技術の発展も大切ですが、カジカたちの未来を見据えた研究をぜひ進めて欲しいものです。 故郷の自然渓流では、これから春にかけて産卵期を迎えます。 雪に埋もれる静かな渓流で、カジカたちは懸命にその命を燃やすことでしょう。 |
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箱島湧水
湧水地を訪れるたびに思うこと……それは私たちにはうかがい知ることのできない自然界のシステムに対する感動です。
地下を巡る水の通り道は、いったいどんなふうに構成され、維持されているのでしょう? 目に見えない世界だけに、なおさら惹かれるのかもしれませんね。 群馬県の"東吾妻町"にある"箱島湧水"は"名水百選"にも登録されている有名な湧水です。 箱島不動尊の御神木の根元から滾々と湧き出す水は、湧出量3万t/日にも達するそうです。 この湧水は無機的に透き通った冷水ではなく、広葉樹の森の地下を巡り巡って地表に現われた滋養深い水……という印象を受けます。 欧米のミネラルウォーターのようなキレ味は感じませんが、そのぶん口当たりが柔らかく、とても飲みやすい水です。 この水を利用して、主にヤマメやニジマスの養殖技術の研究を行なっているのが"箱島養鱒センター"です。 昨日、久しぶりに箱島養鱒センターを訪れ、そこで飼育されているいろいろな魚たちを観察してきました。 様々なヤマメやニジマスの系統だけでなく、他にも興味深い魚たちがたくさんいました。 明日からはそんな魚たちを紹介していく予定です。 続く…… |
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ユミモンヒラタカゲロウ
ユミモンヒラタカゲロウは、阿寒湖の一部の水域でスーパーハッチするメイフライです。 羽化期がモンカゲロウとクロスするので、水面に浮いている様子だけを見ると、どちらか判断つかないこともあります。 サイズは#12くらいでモンカゲロウより小柄ですが、ピーク時は岸辺に張り出した木の枝が黄色く見えるくらい大量にハッチします。 水中羽化するメイフライなので、モンカゲロウの羽化時のようにステージを広範囲に使った釣りはできませんが、ダンやスピナーに対するライズは頻繁に起こります。 また、活性の高い状況であれば、軽く細身のニンフでスロー・リトリーブしても楽しい釣りができます。 それにしても、ダンの脚が水面と接する部分の様子は見事です。 何と精緻で美しい凹みでなのしょう! これなら水面の弾力を利用して、簡単に歩くことができそうです。 止水だからこその現象かもしれませんが、メイフライたちはこんなふうに水面をとらえているのですね。 どんなマテリアルを使ったら、このえくぼを完璧に表現できるのか。 そしてそれがどんなふうに魚たちの捕食行動に関係しているのか。 水面という結界で凌ぎを削る生き物同士の駆け引き……興味は尽きることがありません。 |
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セミフライ
年が明けてからというもの、フライをまったく巻いていないことに気がつき、昨夜になってようやくタイングデスクに向かいました。 春先に合わせてユスリカ系でも……と、ミッジサイズのフックを取り出したのですが、久々に見る#28なんぞは指で掴むことさえ不可能に思えます。 老眼の進行速度は、自分の想像をはるかに超えているかもしれません。 そんなわけで、タイング初日の指慣らしに選んだのはセミのパターンでした。 ユスリカ系からいきなりセミに飛ぶとは何とも極端な選択ですが、マテリアルやツールを目の前にすると、とめどない妄想が脳内を駆け巡ります。 昨夜はそれまでニュージーランドの写真を整理していたこともあり、ウズウズっときた原因の多くは、最初からその辺にあったのですね。 そして#8のTMC 2312で3本のセミフライを巻きました。 サイズの大きいフライは意外にフォルムをまとめるのに気を遣いますし、ディアヘアの処理や、スレッドのテンションの加減など、セミのパターンは薄れていたタイング感覚を呼び起こすにはもってこいなんです。 そのうちの1本を撮影してと思ったのですが……、久々に巻いたフライというのは、やっぱりダメです。 マクロレンズ越しにディテールをチェックすると、笑っちゃうほど酷いので、写真には以前巻いたものを使わせていただきました。 どうやらできるだけ違ったパターンで100本くらい巻いてからでないと、目も指もタイングモードに入りきれないようです。 |
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ビリー東先生のキャスティング講習会
昨日、"BRP社"主催のキャスティング講習会が前橋市で開催されました。 講師はビリー東こと、東知憲さんです。 前橋で開催されたというのに、なぜか講習生の皆さんはすべて東京、横浜方面からの参加でございました。 私は見学生ということで、もっぱら食料摂取に精を出しつつ撮影を担当させていただきました。 参加者は現役バリバリの実践派の皆さんばかりなのですが、ビリー講師の的確な指導により、目からウロコがぽろぽろ落ちていたようです。 この季節、微風晴天の穏やかな日並に恵まれたのは、皆さんの精進する気持ちが呼び込んだ奇跡といえるかもしれません。 そのおかげで集中力が増し、和気藹々とした雰囲気の中にも適度な緊張感が生まれ、たいへん有意義な冬の休日を楽しむことができました。 この日のランチは、BRP社の奥さまが腕によりをかけて作ったクリームシチューをメインに、高級和牛のステーキ、それにご近所の美味しいパン屋さん"政次郎"のバケットパンでした。 講習後、近所の激美味中華で飽食した後、BRP社にてしばし談笑。 時間はあっという間に流れていきました。 来るべきシーズンに備えて、皆さんカチッ!とスイッチが入ったようです。 |