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海から185.5km……
『海から185.5km……』ってことですが、まさか私がこの距離を海から走ってきたわけではないですし、これから海へ向かうつもりでもありません。 実は昨日の昼過ぎ、利根川沿いのサイクリングロード"利根川自転車道"を伊勢崎市の五料橋付近まで走ってきました。 本当は烏川や神流川の合流点付近を見て回り、サケの遡上や産卵行動の様子を観察したかったのですが、不覚にもその前に疲労困憊して、ただのロードワークになってしまいました。 川は海からの道……長く果てしない回廊のようなものに例えればロマンティックです。 この先の185.5kmの利根川流域には"利根大堰"や"利根川河口堰"もあります。 しかしそうした障害にも負けずに、一部の魚たちは懸命に川を遡上してきます。 サケやサクラマスだけでなく、アユも、そしてモクズガニだって利根川を通路にして、横向きに歩いて遡って来るのですよ! 彼らにとって185.5kmという距離は、いったいどれだけの重さなのでしょうか。 五料橋付近までくると、利根川は前橋あたりよりもずっと大きくなったような印象を受けます。水量はともかく、河原の広さは明らかに倍以上ありますね。 春から初夏にかけての時期なら、このあたりの利根川本流でもヤマメが釣れるのだとか……。 今の時期はもちろん禁漁なのですが、春になったら出かけてみようかと思います。これだけ広いとポイントの見極めがたいへんそうですが。 ところが昨日、橋下流で釣りをしている人を見かけました。 最初の写真で川の中にポツンと見えているのがそれです。 ニジマスやウグイ狙いなら問題ないかもしれませんが、ヤマメやサケが釣れたら密漁になってしまいます。 禁漁対象魚種の混獲が予想されるところでは、そのような誤解を受けても仕方ありません。 そんな場所では釣りをしないほうが無難かと思いますが……。 そうこう思いながらネットを検索していると、友人のブログにも同じような内容の記事を見つけました。 どうもこのあたりから下流部一帯は、そちらの方でも有名な場所のようです。 昨日は豪華なランチを用意して、河川敷公園のベンチでいただきました。 黒ずんだバナナ、ストーブの上で焼いて焦がしたサツマイモ、それとカタチが悪いために安売りされていたリンゴです。 チンパンジーやクマが喜びそうなメニューですね。 セルフタイマーで自分撮りをしてみました。 もう少し動きが出るような工夫をしたかったのですが、散歩のおじさんが不審そうにジロジロ見ていたので断念。通報されたらたまりません。 昨日は結局、寄り道をしたり何やかやで40km以上走りました。足が重たく感じてきたラスト5kmくらいは、上州名物の空っ風を真正面に受ける展開になり、グッタリヨレヨレです。 次回はもう少し穏やかな日を選んで、車で出かけようと思っています。 |
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ラスティ・スピナー
フライフィッシングをはじめた頃、最初に意識した水生昆虫がアカマダラカゲロウでした。 軽井沢の湯川で、そして奥日光の湯川でも、アカマダラのスーパーハッチやスピナー・フォールをよく見かけました。 いずれも激しいライズを伴うことが多かったので、このメイフライの重要性をとことん思い知らされたものです。 その後、米国での修行時代には、毎日のようにヘンリーズ・フォークでペールモーニングダン(PMD)のスピナー・フォールに遭遇し、ヘンハックル・ティップをウィングに使った"ラスティ・スピナー"のパターンを、来る日も来る日も巻き続けました。 ご存知のように、PMDはアカマダラと同属のメイフライの仲間の総称です。 今ではCDCウィングのパターンを使うことが多くなりましたが、最終的に気持ちが動くのは、やはりクラシックな"ヘン・スピナー"の方です。 ラスティー系の色合いは、多くの昆虫類をイメージするボディ・カラーのひとつです。 それだけに、いろいろな場面で鍵を握ることも多いので、ポリプロピレン系のダビング材だけでなく、ターキーやグース・バイオットなどのクイル系マテリアルも揃えておくとよいかもしれません。 ほんの少しの違いが、思わぬ結果を呼び込むことも、フライフィッシングではよくあります。 実際には気持ちの問題のほうが大きかったりするのですが、弾は多ければ多いほど、不安を取り除いてくれるものです。 |
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イワナの採卵 その3.
受精卵はピカピカに輝いて、美しい光沢を放っています。 "未来"が宿る卵からは、不思議なくらい生き生きした雰囲気が伝わってきます。 白っぽく濁っているのは受精に失敗した未受精卵。これはすぐに取り除かれます。 受精卵を希釈したイソジン液に15分ほど浸して消毒します。 右側の黄色いバケツに入っているのが消毒中の受精卵です。 その間に卵を設置する孵化槽の準備をします。 孵化槽の左列に並んでいるのは、すでに発眼期を迎えているヤマメの卵です。 その隣に今回採卵したイワナの受精卵を入れることにしました。 孵化槽内には常に新鮮な水が流れ、卵をベストの状態に保てるようになっています。 受精卵は紫外線を嫌うので、孵化槽は光を遮断した室内に設置されています。 水温は約10℃、卵の中に眼がはっきり見える状態に成長するまでの目安は約25日(積算水温250℃前後)、孵化するまでには50日前後の日数が必要になります。 孵化率は環境や親魚の状態によっても左右されますが、80%〜90%くらいになるそうです。 こうして新しい生命を授かったイワナたちは、嬬恋村の長く厳しい冬をひっそりと生き抜きます。 こんな作業に少しでも携わると、何となく他人でないような気持ちになるのが人情というものでしょう。 孵化までに何回か訪れて、イワナたちの成長する様子を観察してみたくなりますね。 |
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イワナの採卵 その2.
メスの採卵が一段落したら、次にオスイワナから精子を搾ります。 ところが採卵期の終盤に差し掛かると、オスのイワナは段々元気がなくなってきてしまいます。 メスの採卵は一度だけですが、オスは使い回される(?)こともあり、まともに精子を出せる個体が極めて少なくなってくるからです。産卵期の前半には、指で触れる程度でも勢いよく噴射させていたというのに……。 そんなわけで採卵終盤には、メスの2倍以上のオスが必要になることもあるとか……。 オスというのは何処の世界においても、思うに任せぬ哀れな生き物でございますねぇ……。 疲労困憊のオスイワナたちに頑張ってもらって、必要量の精子を確保できたらいよいよ受精です。 でもその前にリンゲル液で卵を洗浄し、汚れを取り除いておきます。 卵に精子をかけたら、鳥の羽根を使って精子が均等に行き渡るように攪拌します。 鳥の羽根は卵を傷付けることがないので、昔からこの作業に使われています。 この時点ではまだ受精は始まっていません。 水を入れることで、ようやく受精が始まります。 基本的に受精は短時間で行なわれますが、今回はこの状態で30分ほど放置しておきました。 死んだ精子などで癒着した卵を洗浄したり、潰れた卵の汚れなどを取り去るため、受精卵を30分ほど流水に浸します。 自然界では産卵床を通過する新鮮な水が自動的に汚れを除去してくれますが、人工採卵ではその状態を演出してやらなければなりません。 続く…… |
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イワナの採卵 その1.
昨日は朝から夕方まで"嬬恋山女魚岩魚生産組合の鱒谷養魚場"で、イワナの採卵作業のお手伝いをしてきました。
お手伝いというよりも、役に立たないオヤジ3人組……はねたろうさん、おやぶん&私……で出かけたため、実質的にはただの見学者になってしまいましたが、たいへん貴重な時間を過ごさせていただきました。 イワナの採卵時期はすでにピークを過ぎているため、今回がシーズン最後の採卵作業になるということでした。 飼育槽に用意された親魚の中から、まずは抱卵したメスが運ばれてきます。 すべての魚から採卵できるわけではないので、おなかのプックリ膨れた個体を選んで採卵作業に入ります。 この日は近所の小学生もお手伝いに駆けつけてくれました。 養魚場主の戸部さんのアドバイスを受けながら、メスイワナから卵を搾り出します。 すぐにコツを覚えて、次々に採卵作業をこなしていきます。 30cm前後の魚から、平均500〜600粒が採卵できます。 卵の色は基本的には透明感のあるきれいな黄色です。しかし飼育時のエサの違いで、オレンジ色がかった卵も見られます。 卵に水がかかると受精しづらくなってしまうので、採卵の時点では卵に水がかからないように注意します。 そしてこの後、今度はオスの精子を搾る作業に入るのですが…… 次回へ続く…… |
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嬬恋村へ……
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晩秋の休日……白馬ニレ池にて
22日の水曜日、約1年ぶりに"白馬ニレ池"へ行ってきました。 昨年よりも3週間ほど遅かったこともあり、八方尾根の稜線はすでに白銀の装い。青空にくっきりと、その雄大な景色を刻んでおりました。 私の住む群馬県の前橋からニレ池までは、高速を使っても2時間半ほどかかるので、けっして近いわけではありません。 それでも毎年ここにやって来るのは、北陸方面の仲間たちと合流する目的があるから。 白馬のあたりは、位置的に富山〜前橋のほぼ中間付近なので、双方にとって都合が良いというわけなのです。 今回も10人ほどが集まって、ワイワイガヤガヤ賑やかに釣りやBBQに興じることになりました。 一部のバンブー・ロッドのマニアたちは、ロッドの品評会みたいなことをやっていたようですが、私はひたすら釣りに没頭しておりました。 ニレ池はとても魚が多くて、どんな釣り方をしても本当に良く釣れます。 そして水の透明度が高く、サイト・フィッシングで狙う魚を絞り込むことができます。 つまり釣りたい魚を選んで、それを狙って釣るわけですが、そんな釣りに熱中すればするほど、時間の経つのを忘れてしまいます。 美肌でしなやかに伸びたヒレを持つタイプを専門に釣るのもよいですし、ブルックやブラウン、それにイワナもきれいな魚たちがたくさん見えました。 それぞれの魚を、それぞれの魚に適した釣り方やフライで釣ることは、とても興味深いものです。 また、様々なフライパターンの性質や効果を試したり、ティペットの性質や強さを確認したりすることもできました。 こうしたデータを短時間に集められるのも、たいへん貴重なことですね。 そんな意味でも、たいへん勉強になった1日です。 午後から少々天気が崩れましたが、冷たい風の吹き降ろす日没寸前まで、夢中でロッドを振り続けました。 そして何より嬉しかったのは、楽しい仲間たちと、穏やかな秋の休日を一緒に過ごせたことです。 |
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草月の黒松
自転車に乗って軽く汗を流したら、甘いものでも食べましょう……ということで、今回は美味しい和菓子のご紹介です。 先週エントリーした『長崎カステラ』が効いたのか、"隠れ甘党(?)"の皆さんから次々にご連絡をいただきました。 そんな折、お江戸在住の友人"お菓子妖怪"さんから送られてきたのが、北区は東十条の黒松本舗草月"黒松"というどら焼き風のお菓子でございます。 子供の頃、どら焼きに関しても凄絶な兄弟喧嘩を繰り広げていましたから、食べる前から期待に胸が膨らみます。 黒糖と蜂蜜を練り込んだ生地(皮)は、しっとりふんわり柔らかで、どら焼きのそれよりも軽い感じ。 甘さひかえめの粒あんと相まって、次の一口が楽しみになってきます。 材料と食感から想像すると、黒松を美味しくいただくためには、風味を生かすことが大切。 作りたての暖かいときが一番美味しいと聞いていたので、パッケージから取り出し、電子レンジで20秒ほど暖めてみました。 するとどうでしょう! 冷めているときには感じられなかった甘く魅惑的な風味が蘇り、より一層の美味しさを楽しむことができました。 黒松はちょっと洋風な感じもするので、今回は最近凝っている南米の"マテ茶"と一緒にいただくことに。 これがなかなか見事にはまって、1日で5個を完食です。 そんなわけで、その日は就寝前に20kmの自転車ロードワークに出かけました。 余計な糖分を燃焼させるためには、それなりの負荷を身体にかけなければなりません。 何がいったい健康の源なのか、わけのわからない今日この頃でございます。 |
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FlyRodders 2007年 1月号
本日発売の"FlyRodders 2007 1月号"の表紙は、当ブログ10月19日のエントリー"秋の北海道から その3."で、チラリとお見せしたニジマス……例の"ろくはち"でございます。 撮影者は私が務めさせていただきました。 ろくはち関連の記事は後日掲載予定ですが、今号では"雨鱒、川遡る季節"という記事を書かせていただいております。 フレッシュランのアメマスとの駆け引きを綴ったシリアスな記事になっておりますので、どうぞお楽しみくださいませ。 本日はこれから白馬ニレ池へ行ってまいります |
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釣りづらいポイント
川へ降りる箇所が限られている渓では、同じような時間帯に入って、同じようなペースで釣り上がって行くと、それぞれのポイントを通過する時刻も同じくらいになってくる。 澄み切った浅く緩い流れのプール、ちょうど空のブルーが映り込んでいるあたりで、いつもライズを見つける。しかも必ず複数で……。 ところがご覧のように、ここを通過するときはいつもこんな光線状態。これでは水面がギラついて、水中の様子をうかがうのは困難だ。 魚はおそらく、かなり手前まで入っているはずだが、それを追い込んでしまっているのかどうかも確認することができないのである。 ライズの主はイワナなので、大きくても小さくても、似たようなディンプル・ライズを繰り返す。 ライズを頼りにサイズを特定するのは難しいので、釣るべき渓魚を選べない。 何よりも、この流速では渓魚たちが一箇所に定位することは稀で、常に前後左右に移動しながら水面をうかがっている。 そんな状況では、どうしても釣り方がラフになりがちだ。 そしてアプローチするにも、アップストリームでフライを入れるしかない。 だからたいていは、ラインが宙を走った時点でライズが止まる。 それでおしまいのこともあれば、やる気満々の小さなヤツが釣れたりもするが……。 確かなのは、こちらが釣る前に大物はさっさと逃げてしまっているであろうこと。 なぜかといえば、このポイントのイブニングライズで釣れるイワナのサイズといったら、日中よりも2回りくらい大きいのだ。 しかし安全を考えると、ここで夕方を過ごすのは危険すぎる。 クマが頻繁に出没するし、退渓地点からも遠いうえに高巻きの必要な岩場もある。 多くのリスクを覚悟しなければならないので、。何としても日中に通過しておきたい場所なのである。 こんなふうに、渓魚たちが温存されているポイントがある。 条件が大きく変化しない限り、どんな釣り方をしても思うようには釣ることはできないだろう。 いつかはそれを克服してやろうとは思うけれど、こんなポイントを見ることで、安心している自分がいる。 渓魚たちにとっても、そして自分自身にとっても、ここはたいへん貴重な居場所なのである。 |