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稲 妻
本日の前橋市の予想最高気温は35℃なんだそうですが、午前6時過ぎの現在、肌に触れる空気と光は、まさに秋そのものです。 先週の前半は全国的に大気が不安定な状態が続いて、各地に雷雨による大雨が降りました。 特に近畿地方では1時間に100mmを超す集中豪雨に見舞われた地域もあったとか。被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。 "雷"の本場、上州前橋でも先週前半は毎日のようにゴロゴロやってました。 ところが、今年のこちらの雷様はいつもの年よりおとなしく、あまり迫力を感じません。 前橋地方気象台によると、今日は終日晴れる見込みですが、明日から大気の状態が不安定になるそうで、雷様がいらっしゃる可能性が高いそうです。 子供の頃、学校や魚釣りからの帰り道……突然鳴り響く雷鳴と、バケツをひっくり返したような豪雨に襲われるのは日常的な出来事でした。 青白い閃光が走り、その数秒後にやってくる轟音にビビリながら、男子も女子も全力で駆け出したものです。 それはそれで楽しい想い出ですが、一番印象的だったのは、女学生(死後?)の雨に濡れたブラウスの眩しかったことかな……。 昨年はもの凄い夕立が何回か来て、マンションの自室から稲妻の撮影を試しました。 シャッターチャンスのタイミングを計るのが難しいだけでなく、閃光の瞬間に感電しそうで怖いです。 標高の高い釣り場でカーボンのロッドを傍においたまま、雷を撮影するといった酔狂なマネは絶対にやめましょう。 それから鉄砲水にも要注意!上流方面で局地的に降る大雨は恐ろしいものです。 水況には常に注意を払っていましょう。そして渓を遡行している最中も、林道への出口のチェックは忘れずに! 今日はこれから某誌の取材で神流川の『本谷渓流特設釣場(毛鉤釣り専用区間)』へ行ってきます! 雷には注意しなければ! それにしても、毎週通ってますね……。 |
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インチワーム
1本の細い糸を頼りに、スルスルと頭上の樹木から降りてくる小さなワーム……イモムシ、シャクトリムシの類……は、どこへ行ってもよく見かけます。 その行動は能動的な移動手段なのか、あるいは突発的な事故なのか? 不思議といえば不思議な行動ですが、実際にはこのままあっさり水面へ落ちて、渓魚たちの口の中へ入ってしまうケースがとても多いように感じます。 ワーム系をイメージしたフライパターンを使ったとき、渓魚たちは異常とも思える鋭い反応を示すことがあります。まるでひったくるように、ヒステリックな行動を取るのです。 それはおそらく、これらのワーム類が水流に乗って流下してくるよりも、突然水面に落下することで捕食範囲に入ってくるからだと思われます。そのために、普段とは異なる捕食行動を起こすのでしょう。 このように"ポトリ"と水面に落ちる物体は、ペレット育ちの養殖魚でなくても、本能的な反応を促すようです。 そんなシチュエーションを頭に入れて、岩壁や樹木の葉に一度フライを引っ掛けてから垂直に落とすなど、落下状況を演出したプレゼンテーションを意識的に行なうのも戦法のひとつです。 実は誰もが無意識にそれをやっているのですが、ミスと演出の区別がついていないようです。 木の葉や岩肌に、適度なテンションで意識的にフライを引っ掛け、さらにそれをポトリと落とすのは、なかなか難しい技術です。 そして、ショート・ドリフトの有効性もよく理解できることでしょう。 |
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潜水艦
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Fairy Face
同じ昆虫類でも、水生昆虫というのは何となく清潔な感じがしませんか? 食欲までは抱きませんが、安心して触れる虫がほとんどですし。 ストーンフライなど、知らない人が見たら黄色いゴキブリに見えるかもしれません。 でも、脚に毛が生えているわけではなく、ツルツルしていて可愛いものです。 嫌なにおいもないですしね。 アメリカ産の巨大なブラック・ストーンフライはちょっと不気味ですが……。 黄色っぽい水生昆虫というのは、種類が違ってもよく似た表情をしています。 特にフタスジモンカゲロウの顔つきはとても優しい感じがします。 これを"パクッ"と一呑みにしてしまう魚たちは何て残虐なんだろうと思うことがありますが、魚たちに言わせれば、人間以上に残虐な存在はないでしょうね。 それから春先に出るミドリカワゲラも同一系統の顔立ちをしています。 写真で撮るより、スケッチしてとっておきたいくらいです。 皆さんもときどきは水生昆虫の表情をじっくり観察してみてはいかがでしょう。 酔狂ではごいざいますが、そこには何とも不思議な世界が広がっています。 きょうはこれから江戸へ向かって、一晩泊って来ます。 永田町や赤坂界隈で打ち合わせやら会議なのですが、じっくり現実に向かい合ってくることにいたしましょう。 |
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恥の上塗りですが……
それは一昨日、上野村の神流川へ釣りへ行った日の出来事です。 "あぁ、何ということを……!" この状態に気付いたのは、上野村のふれあい館に到着して車を降りた瞬間のことでした。 軽いめまいを覚えたのは、夏の朝日が眩しかったせいではありません。 部屋を出てから約1時間と少々……マンションのエレベーターに乗り、駐車場まで数10mの距離を歩き、セブンイレブンに寄って食料を買い込み、自分で車を運転している間にも、まったく気がつかなかったことに我ながら感心しています。 少し前、このブログでも"中年のつぶやき"というテーマで忍び寄る老いについて触れましたが、やはりそれは刻一刻と進行しているようでございます。 そんな自分の嘆きを、その場で作品にしてみました。 肩を落としたその様子に、哀愁を感じませんか? それにもまして、くっきりと地面に描かれた影の存在が虚しいこと……。 |
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赤いヤマメと緑の水面
昨日は東京と横浜の友人たちと、神流川の『本谷渓流特設釣場(毛鉤釣り専用区間)』へ行ってきました。 先週よりもかなり水量が増えて、状況は回復していると思えたのですが、相変わらずの暑さのせいで、日中の水温は18℃くらいまで上昇します。 そのため午後になると渓魚たちの活性も下がり気味。 ドライフライだけの釣りでは、釣れる魚も限られてしまうかもしれません。 午前中、上流部で釣れた♂ヤマメは体側を赤く染め、季節を先取りしている感じでした。 何だかんだといっても、真夏の陽射しの下でこんなのが釣れるのですから、文句は言えませんね。 密度の高いプールでは、なわばり争いや個体間の優先順位を決めるための追尾行動等が頻繁に見られます。 しかし今のところは、すべての欲望を食欲が抑えているようです。 本格的にスポーニング行動を開始するのは、来月の禁漁間際になってからでしょう。 晴れた日の午前中ならば、緩い流れに浮かんでライズする渓魚が多く見られます。 捕食しているのは、主に極小テレストリアルの亡骸のようですが、水面にかぶさる枝葉から落ちるワームや大型テレストリアルにも敏感に反応する場面も何回かありました。 この川の渓魚たちは、ラインの動きや影を極端に嫌います。 無駄なフォルスキャストは一切行なわず、ファーストキャストで決めるつもりで、正確なプレゼンテーションとショート・ドリフトを心がけましょう。ロング・ドリフトは、渓魚たちの警戒心を増長させやすいので要注意です。 林道から渓魚たちの動きの一部始終を眺めることができるのは、この釣り場ならではの楽しみです。 緑の水面越しに、元気一杯に動き回るヤマメたちを見ていると、時間の経つのを忘れてしまいます。 帰りには、必ずといっていいほど浜平温泉"しおじの湯"に寄って行きます。 これがまた、極楽で……。 |
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溜息が出るような……
昨日、北海道の友人からメールが届きました。 そのメールに添付されていたのが上の画像……溜息が出るような美しい姿態のワイルド・レインボーです。 このところ、夜毎秋のニジマスを思い浮かべていただけに、こんなに凄い夏のニジマスを見せられると、妄想が暴走を始めてしまいそうです。 いかにも夏らしく、ホッパー系のフライにドッカ〜ンと飛び出たこの魚は63cm ! 胴回りは軽く40cmを超え、尾柄部は指が回らないほど太かったそうです。 ♀として完璧な体型であることは言うまでもないですが、このサイズになるまで産卵を経験していないのでは……と思えるほど、艶やかな素肌に魅了されます。 この魚を仕留めたのは、札幌在住のTくんです。 彼は毎年6月、函館市のプロショップ"ANGLERS HUT"の開催するFFスクールに、奥さんと一緒に参加してくれます。 しかもわざわざ札幌から駆けつけてくれるのですから、その熱心さには驚かされます。 ラインコントロールやドリフトに関して、彼の持つ技術は素晴らしく、すでに独自の世界を切り拓いているかのよう。 そんな彼だけに、過酷な状況の中にあったワンチャンスをモノにすることができたのでしょう。 その日は8月15日、渇水に喘ぐ道東の川、そしてお盆休みの釣り人たちで賑やかだったはずですから。 チャンスは誰にも平等に訪れますが、それを生かせるかどうか……あるいはそれに気付くかどうかで、違った結果がもたらされるのですね。 この魚は、彼にとって生涯忘れられない1尾になることでしょう。 私にとってもそれは同じこと……北海道でこれほどの品格を備えた魚には、未だ巡り会っていません。 こんな魚を釣りたくて、北米やNZを歩き回った日々が、この魚体に重なります。 それにしても素晴らしいニジマスです。 しばらくは目の保養に、うっとりしながら眺めることにいたしましょう……。 |
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秋のビートルパターン
昨日エントリーしたカメムシ風パターンの流用形です。 ディアヘアのボディ部はそのままに、オーバーウィングにはきらめきがとても印象的なピーコックソードを取り付け、アンダーウィングにはCDC、レッグ部はディアヘアの先端部をディバイドしています。 このようなドレッシングによって、浮力は確実にアップします。 しかしこのフライの場合、水面下へ強制的に沈めて使うことがよくあります。 そのため表面積を多く取ることで、マテリアルの隙間に気泡が溜まりやすくなり、水圧に押し潰れて痩せてしまわないことも、このフライの美点です。 浮かせたり沈めたり……それぞれの状態でイメージ通りの働きを補助してくれるのは、やはり強力なリキッドタイプのフロータントですね。 例えば『STALK』の"ディップコート"、『ジャニス』の"DEEP FLOAT"、『flux』の"kty3"などがお勧めできるリキッド系フロータントです。 フライタイングはイメージが大切……ということで、秋のニジマスを思い描きつつ、夜な夜な面倒なフライタイングに勤しむ今日この頃でございます。 |
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カメムシとカメムシ風フライ・パターン
そろそろ"カメムシ"のことが気になる季節になりました。 カメムシについても、以前このブログで取り上げましたが、今回はカメムシをイメージしたフライ・パターンの紹介です。 発生期や発生量、それに伴う流下時期の関係もあって、カメムシが本州の遊漁期間内に重要な位置付けになることそれほど多くないかもしれません。 けれども10月以降、北海道でニジマスを……というのなら、必携パターンのひとつになることでしょう。 森から落葉が大量に流れ込む時期、それらに混ざって大量のカメムシが流下する現象が起こります。 それをニジマスたちが選択的に捕食していれば、もちろんそのときはハッチマッチャーとして充分機能します。 けれども通常は"水面に大きなエクボ状の凹みを描いて浮かぶドライフライ"として、フライローテーションに組み込む程度の扱いでよいと思います。 単一種が大量に発生・流下する場合、そのカラーとサイズにマッチしたフライを用意するのが原則ですが、実際よりも大きく、ポッカリ浮いて流れるようなタイプを用意しておくことも必要です。 なぜなら、大型個体の多くは存在感優先で喰ってくるケースが多いからです。 自分の場合、カメムシのパターンはディアヘアを刈り込み、平べったいフォルムに仕上げるのが好きです。 ウレタンフォーム等でルアーっぽく、無機的な仕上がりにしても効果は変わらないかもしれませんが、タイングの楽しさを味わうなら、やはりヘアマテルアルを使って手間ひまかけて巻いてみましょう。 レッグとアンダーウィングをイメージするハックル部には、クート(あるいはムアヘン)を左右に振り分けて使っています。 このタイプに液体フロータントを滲みこませることで、軽く安定した浮力を長時間維持できるようになります。 また、特にカメムシ専用ということもなく、禁漁間際のイワナ釣りなどでも、このフライを堰堤のプールに叩きつけて使うこともあります。 その場合は、不特定多数の昆虫類を連想させるテレストリアル・パターンとして機能しているわけです。 したがって、サイズは#8〜#16と、広範囲に持っていたほうがよいでしょう。色調はグリー系、ブラウン系を中心に、ラスティオレンジやブラックも効くことがあります。 今宵も滞ったままの仕事を置き去りにして、5本のカメムシを巻いてしまいました。 もちろんこの秋、北海道へ持って行くためのフライです。 |
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SIMMS KEEN WADING SHOE
"SIMMS KEEN WADING SHOE"については、以前このブログでもほんの少し紹介しています。 あれから数ヶ月経て、現在どの程度流通しているかは不明ですが、私はすでに2足目を履いて歩き回っております。 輸入元の"Maverick"のマサ社長から譲っていただいた1足目は、初夏の東北〜北海道の長期ロード中に使用しました。 実際の使用では、3週間ほどでヒモが切れ、フェルト部分がほぼ磨り減ってラバーとの接着面が透けて見えるくらいになりました。 ソールとシューズ本体との圧着部は意外に丈夫で、ほんの数箇所剥離が見られた程度です。素材の劣化や縫製のほつれはどこにも見られませんでした。 ちなみに私のウェーディングシューズの消耗頻度は、1シーズンにフェルトソールを6回前後張り替えるのが普通のペースです。 通常、3週間連続して使用すれば(実働約2週間)、歩く距離と場所にもよりますが、ほとんどのシューズのフェルトソールは完全に磨り減り、本体両サイドの縫製部分が切れ、接着部が剥離してきます。破損箇所によっては、数日でダメになるケースさえあります。 そんなわけで、常に5〜6足をローテーションして使っていますが、そのうち2足は完全に壊れるので、補充が容易ではありません。 "SIMMS"から販売されているとはいえ"KEEN"としては初めてのウェーディングシューズです。その点を考慮すれば、ウェーディングシューズに必要な頑丈さは持ち合わせていると判断できそうです。 KEENのウェーディングシューズとしての特徴は、フェルトとラバーのハイブリッドソールという点です。 それを前提に、私なりの使用感を述べさていただくと…… まず、このシューズの良いところは、履きやすさ、そして軽さです。 履きやすさについては、シューズのカタチからも想像できるようにワイズが広く、日本人の足型に合っています。それに対して踵のカップはやや小さめですから、歩行時に踵が左右にブレづらい構造になっています。 次にシューズの軽さです。長距離をできるだけ早く歩こうとしている釣り人にとって、軽さは最も重要な要素です。 KEENの重量は、カタログ数値では32oz.(約907g)と表記されています。実際に計ると、乾燥時の片足で約620g、これはウェーディングシューズとしてはかなり軽いほうです。 同じSIMMS社の"L2 Wading Boot-Felt"が52.8oz.(約1497g)、 "RiverTek Wading Boot"にいたっては74oz.(約2098g)もありますから、その程度がお分かりになると思います。 さらにはフェルト部分が小さいので、濡れたときの重量増加もそれほど大きくありません。 そして靴底全体が柔らかく良く曲がるため、幅広ワイズとの相乗効果で地面との接地面積を大きく保てるというメリットもあります。 次に気になる点です。 これはSIMMSのシューズ全般に共通していますが、靴ヒモが丸ヒモのため、とにかくほどけやすいのです。これを"G3 Guide Stockingfoots"ウェイダーなどと組み合わせたとき、グラベルガードの構造上、内側に水が滞留してチャポチャポ揺すられるので、ほどけやすさはさらに倍増します。その都度結び直すのは、かなりのストレスになりばかりでなく、集中力を欠く原因にもなります。 この現象を回避するには固結びするしかありませんが、そうすると脱ぐときにほどくのが面倒……いや、平ヒモに交換すればいいのかな……。 さらにKEENの場合、ヒモを通す環が金属のため、なおさらヒモが切れやすい構造になってしまっています。 それからアッパーの素材が水を含みやすく、意外に乾きが遅いこと。シューズ内に溜まった水の排出口が少なく、自重の軽さが生かしきれていないこと……などが挙げられます。 おそらく来期には、いくつかの点を改善された新製品が出てくるのではないでしょうか。 ハイブリッドのラバー部分の滑りやすさについては、基本的には慣れるしかありません。 滑るときの前兆や特徴を覚えて、ラバーのエッジに体重をかけることなく、ソール全体を使って歩くことを心がければ、ラバーソールにありがちな唐突なスリップを回避できるはずです。 私たちはフェルトソールに慣れ過ぎています。それがラバーソールの評価を下げる原因になっていることは否めません。 ラバーソールにはラバーソールの歩き方があり、ラバーソールのほうが歩きやすい状況もたくさんあります。 よほどツルツルした滑岩が連続するような渓相でない限り、今後はフェルトだけに固執する必要はないと思います。 "Dydimo"や"Newzealand Mud Snail"といった予期せぬ侵入者たちが、乾きづらいソールに忍び込み、地球上を駆け巡る世の中です。 滑るのが怖いからという理由で、フェルトに依存する時代は終わりに近付いているのかもしれませんね。 PS:Newzealand Mud Snailsについては、こちらに詳しく解説されております。英文のPDFファイルですが……。 |