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グラマラスライフ
今年も暮れてまいりました。 しばらく昆虫シリーズで行こうかなと計画していましたが、これがおそらく年内最後の更新になりそうなので、ここはズバッと景気よく、超グラマラス&セクシーなワイルドレインボーを見ていただこうと思います。 また、一部のフェチの方々には、格好の妄想ツールになるかもしれません。 生気漲る背肉の盛り上がり、パンパンに張り詰めたボディと小さな頭……こうした体型の魚は筋肉量が多いので、当然猛烈なパワーで走り、飛び、暴れまくるだけでなく、永遠を感じさせるほどの持続力があります。 おまけに滅法美人ですから、世界中のフライフィッシャーたちに、釣ってみたいタイプのナンバーワンに指名されるのは間違いないところでしょう。 こんな魚を何匹か釣るうち、実は知らぬ間に自分が釣られていることに気付いたりします。だからといって、そこから後戻りできる人なんていませんよね。 そんなふうにしてこのニジマスという魚は、世界中に「Trout Bum」を作ってきました。 無論、私もその1人ですが、こんな魚といつでも逢瀬を楽しめる生活を、グラマラスライフ……魅惑と誘惑に満ちた生活……というのでしょうか。 いつの日か、グラマラスライフをエンジョイしてみたいものでございマス。 |
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カメムシ
ランディングネットに入れた途端、口から10数匹ものカメムシを吐き出したニジマスを釣ったことがあります。 フックを外そうとして近付くと、ニジマスの口から強烈なカメムシ臭が……。 吐き出されたカメムシの半数は、すでに消化液で溶けかけていました。そのせいか、あたりには凝縮されたカメムシの悪臭が漂い、まるで自分の口の中にカメムシを放り込まれたような錯覚にとらわれました。 秋になると、いろいろな場所で大量発生するカメムシは、あまり好かれていない昆虫の代表的存在かもしれません。 地球温暖化の影響で発生時期が早くなったり、越冬が容易になったせいか、日本全国どこへ行ってもカメムシの噂を耳にします。 ときには果樹園や稲に被害をもたらす害虫であったり、民家の屋根裏に集団で忍び込んでみたりと、なかなかアクティブなご様子です。 しかしながら、人間がいなければ地球温暖化など起こらなかったわけで、いくらカメムシが大量発生したからといってカメムシが悪いわけではありませんね。 カメムシの臭気は有毒で、密閉容器に入れておくと自分の出す悪臭成分で死に至ることもあるとか。 最近ではすっかり見かける機会の少なくなったタガメやタイコウチは、カメムシ目に含まれる水生昆虫です。そういえば、背中のあたりにカメムシ的な雰囲気がありますね。 それでも秋になると、森で大発生したカメムシの流下を待ち受けて、巨大ニジマスがライズする川があります。 そうなれば、当然ながらカメムシパターンが威力を発揮します。 人間はカメムシを嫌いますが、ニジマスはカメムシが大好きです。したがってニジマスが大好きな人は、カメムシを嫌ってはいけません。でも、やっぱりこの虫を好きにはなれませんです。 |
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リバーウォーカーズ
昨日、懐かしい友人からメールがきました。 そこには、今から2年ほど前に『MOTION GALLERY』から発売されたDVD[リバーウォーカーズ……ノースアイランドからの贈り物]という作品に対する感想が書かれていました。 「面白い、興奮する!」といった社交辞令的感想のほか、ここではとても書けないようなお褒めの言葉をいただいたのです。 どうもありがとうございました。 実際、そういうのはちょっと照れくさいのですが、本当にそうかなぁと思って久しぶりに観てみたのです。 そうしたら、自分で言うのもなんですが、けっこう楽しめました。 クライマックスはセミフライに飛び出た巨大なワイルドレインボーとの格闘シーンなのですが、よくまぁ撮影中にあんな魚が釣れて、ちゃんとランディングできたものです。まったくもって奇跡に値する出来事ですね。 上の写真の魚は、ロケ中に最初に釣れた60cmオーバーです。 ということで、年末年始のおやすみのときにでも、時間のある方は見てやってくださいませ。 エゾハルゼミ |
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豊満ヤマメ
この記事のテーマから、何かを期待して飛んできた方がいたらごめんなさい。 でも、このヤマメを見れば、その意味を理解していただけます……でしょうか? その筋の性癖をお持ちの方であれば、「あらまあ……!」なんてポッと頬を赤らめ、嘗め回すような視線で身体の曲線を追ったりするかもしれませんが……。 体高があって、立派な体型をしたヤマメは「幅広ヤマメ」と呼ばれます。 さらに体に厚みが加わり、逞しさを増したヤマメは「砲弾ヤマメ」と呼んだりしますが、そんなタイプは滅多に見かけません。 もっともそこには主観が入るし、数字的な比較で線引きができるわけでもないので、贔屓目に見たら、何でも幅広・砲弾になってしまいますよね。 写真の渓魚は、江戸に近い某有名河川で釣れた幅広泣き尺ヤマメです。 穏やかな春の昼下がり、周囲の眼を気にすることなく、オオクママダラのダンをバコバコ食べまくっているところを、不幸にもニヤニヤと薄ら笑いを浮かべるおじさんたちに見つかってしまったのです。 釣り上げられた後は、モデル撮影会のごとくシャッターの放列に晒されましたが、数分後には無事水に帰されました。 とても優しい雰囲気の可愛い娘でございます。ちょっと体が絞れていなくて、ゆるめの感じがチャームポイント。 「砲弾ヤマメ」というよりは「豊満ヤマメ」なんです。 |
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バイオハザード
ここ数年、山や渓筋で野生動物たちと出遭う機会がとても多くなりました。 クマに関しては報道されている通りですし、サルもまた然り。中でもシカは本当に増えたと感じます。 本州のニホンジカ、北海道のエゾジカはもちろん、カモシカも例外ではありません。 シカは直接人間に危害を与えることはありませんが、生態系のバランスという面では様々な問題を引き起こします。 その中でもシカとヤマビルの関係が最近注目されてきました。 もともとヤマビルは、シカに依存して生きてきたといわれる生物です。 それに加え、最近では人造林の手入れ不足などによって、ヤマビルの棲息に適した環境が急速に増加してきました。 そんな状況の中、こちらも増えすぎたがために、エサ不足などで行き場を失ったシカたちもたくさんいます。 ヤマビルにとって、体力の落ちたシカは絶好の吸血対象です。 そして大量にヤマビルを身体に吸着させたシカが里に降り、人家付近で行き倒れたりすると、それがヤマビルの多量発生の要因となるわけです。 このようにして棲息地を拡大したヤマビルによって、農作業などに支障が出る地域も出てきました。それだけでなく、散歩や登山をしていても、どこからともなくヤマビルが入り込んで平然と吸血をする……そんなことが日常的になるのは、想像しただけでも嫌ですね。 現在では、ヤマビルの大増殖をバイオハザード(生物災害)と位置付けている地域もあります。しかしこれといった対応策はなく、状況が改善されるまでには時間がかかりそうです。 その昔、新潟や山形の山岳渓流に入り込み、これでもかというほどヤマビルに吸い付かれた経験を持つ自分としては、その辛さがよく理解できます。何か効果的な対策はないものでしょうか。 それにしても、野生の渓魚は減る一方です。この場合は人間をバイオハザードに位置づける必要がありそうですが……。 |
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水底の怪物
ニュージー&ブラウンが続きましたが、ついでにもうひとつ、モンスターみたいなヤツを見ていただこうと思います。 ブラウンの個体差が大きいことはよく知られています。 また、環境適応能力が高く、その性質が多様な個体変異を生み出す要因になっているとも考えられます。 同一河川内であっても、瀬に入っている魚と、深い淵の底で暮らしている個体とでは、まったく別の魚のように見えることがあります。 一生を限られた範囲内で過ごす魚もいれば、シートラウトとなって海へ降るタイプ、完全に海へ降らないまでも、河口付近から上流域まで、広い範囲を生活圏にしているタイプなど千差万別です。 それでは今回の魚はどんなタイプなのでしょうか? 想像の域は出ませんが、あまり広範囲を移動することなく、普段は水底に潜み、捕食対象を比較的大型に絞っている個体のように見受けられます。 基本的にはフィッシュイーターで、ときにはネズミなどの小動物をも捕食し、神出鬼没な行動を取るタイプかもしれません。 背中の濃いオリーブは、水の色と深い川床部をカモフラージュした色調なのでしょう。 アンバランスなほど大きく見える胸鰭は、川底にぴたりと安定するためだけでなく、近付いてきた獲物を一瞬で捕食する瞬発力を生み出します。 体長に比較して頭部が小さく丸っこいメスですから、表情にそれほど迫力はないものの、顎から頬の線は強靭な噛む力を備えていそう。 そして隆々とした各部の筋肉、独特の重量感は魚類の常識を離れ、モンスターのようなイメージを抱かせます。 ちなみにこれは私が釣った魚ではなく、友人がセミ・パターンで釣り上げたものです。 ニュージーランドではセミの発生時期になると、普段はあまり水面に興味を示さない水底の怪物たちが、こぞって水面付近に注意を向けるようになります。 ドライフライが好きな釣り人たちにとって、セミの季節は、モンスターたちと出会える千載一遇の好機なのです。 |
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クリークの爬虫類!?
ブラウントラウトという魚、いろいろな意味で皆さん関心をお持ちのようです。 ニュージーランドの南島へ行くと、釣りの対象の8割がたはブラウンなので、いろいろなタイプのブラウンを見ることができます。 個体差が大きい魚ですから、紋様フェチにはたまらない魚なのです。今度はどんなタイプなのかしらんと、寄せてくるまでわくわくどきどき……。 前回のかまが立派なブラウンは、まるで回遊性の海水魚を思わせるぷりぷりタイプですが、今回は爬虫類を思わせる紋様が印象的なタイプです。 こんなやつは、牧場内のクリークなどのあまり広くない水域で長生きしてる魚に多いように感じます。 斑点と地肌の面積がほぼ同じくらいありそうですが、ここまで濃い(?)タイプは滅多に見ません。 こういう魚に限って、水底を這うような重苦しいファイトをします。グングン、ジワジワ、知らぬ間にバッキングまで引きずり出され……。 このように、何かにつけて性質が読みづらく、意外性があるところもブラウンならではの個性なのです。 もっともそれが「両刃の剣」となり、嫌われる原因にもなるのですが。 |
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Mataura のハマチ!?
実に見事な”かま”ですねぇ。 その体型や肌のヌメリ感など、思わずブリやハマチを思い浮かべてしまいます。 でもこれは、ニュージーランド南島のマタウラリバーで生まれ育ったブラウントラウトです。 もちろんこの砲弾のような体型から想像できるように、驚異的なパワーとトルクを備えた怪力の持ち主です。 日本が寒くなるにつれ、南半球が恋しくなります。そろそろあちらは初夏を迎える頃ですから……。 この春、ニュージーの南島は雨が少ないとのこと。そのため夏から秋には渇水になって、釣りが厳しくなるかも……と、現地のガイドから連絡がありました。行くなら早めに……あるいは思い切って3月、4月に遅らせるのがいいかもしれません。 マタウラリバーといえば、ライズの釣りが楽しい川です。日本でもすっかりおなじみになりましたが、状況さえ整えば60cm級の魚がズラリと並んでライズするのが見られます。 釣れる釣れないは腕と運次第ですが、世界広しとはいえ、そんな光景に出会える川はそう多くありません。というより、マタウラだけかもしれません。 この川のフライフィッシングを経験すると、誰もがそこに新しい世界を見出すことができるでしょう。 マタウラで釣るなら、現地のガイドで私の古い友人でもあるデイビッド・マーリー・オール 『SOUTHLAND FLIES & GUIDES』に、ぜひコンタクトを取ってみてください。 マタウラのフライフィッシングを知り尽くした男であり、ガイドとして最高の信頼をおけるナイスガイです。 あぁぁぁ……、行ぎだぐなっでぎだ! |
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琥珀色の水面
琥珀色に光る水面は、強い陽射しを浴びて絶妙な紋様を描き出します。
広葉樹の森から溢れ出す透明度の高い水、石灰岩質の白っぽい川床……そこに適度の珪藻類が付着して、色彩的な濃淡や陰影のある川床を作り上げると、流れは琥珀色に輝いて見えます。 渓魚を表現する撮影方法としては、こんなふうに魚を鉤に掛けまま撮った絵はあまり好きではありません。 どう撮っても、苦しそうで気の毒だからです。古い釣り雑誌のカラーグラビアに、よくそんな写真が使われていましたね。 けれども、きらきらきらめく流れの中から浮かび上がってきた渓魚が、水面を震わせて躍動するとき、そこに描かれる水紋には何ともいえない美しさがあります。その様子を撮りたいがために、描かれては消えていく水面の紋様を思わず追いかけてしまいます。 水と光は自然界を司る必須要素であると同時に、とてつもない表現力を持った芸術家なのです。 |
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アーロンチェア
快適なチェアの座り心地を楽しんでいます。 今までの人生において、家具やら何やら、インテリア関係には全然興味がなかったため、そのほとんどをホームセンターの安売り品で済ませていました。 それでも職業柄、原稿書き、フライタイング、PC閲覧時等々、チェアを利用している時間はとても長くなります。そのためチェアだけは、家具屋さんでしっかりしたものを選んで使っていたのですが……。 ところが最近、ふとしたきっかけでHermanMiller社の『アーロンチェア』という製品を友人から譲り受けました。 このチェア、今まで使ってきたチェアとはまるで別物です。 PCと長時間向き合っていても、また、絶え間ない微妙な動きを伴うフライタイングにも、実に自然な感覚で身体を包み込んでくれます。 身体から離れたところにある背骨……とでもいうのでしょうか。これまで味わったことのない一体感を得られるのです。 自分には腰の持病があるわけではなく、ぎっくり腰の経験もないので、そうした方面からのコメントは残念ながらできません。 しかしながら、少なからず進行しているであろう肉体的衰えをカバーするためには、日常的に利用するアイテムの性能が重要になってくるのかもしれませんね。 そんなわけで、ひとつしかないこのチェアを頻繁に移動しながら、PCの置いてある仕事部屋とタイングルームの両方で使っている今日この頃です。 |