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壁際の絶叫娘
毎年、多くの釣り人たちの心を挫く大ヤマメ……いつの頃からか、このポイントに入るヤマメたちは「壁際の絶叫娘」と称されるようになりました。 左岸にそびえるオーバーハングした岩盤直下の流れには、40cm級のヤマメが定位したりクルージングしながら、魅惑的なライズを繰り広げます。
ところが、うまくドリフトが決まらないと見切られるし、もちろんフライが合わないと口にしてくれません。 それはもう「ギャー!」という絶叫が聞こえてきそうな拒絶反応。 プライドを傷つけられ、深い溜息をつく釣り人をこれまで何人も見てきました。
ファースト・キャストで決められさえすれば、釣れる確率は高いのですが…… 多くの釣り人のメンタルは、プレッシャーを感じるほど脆く危うくなるようで( ̄▽ ̄;) 少なくとも数回は絶叫させないと、結果を出せないのが実態です。
戻ってきたと思っても、他の小さな個体と置き換わっていたりします。 そんなときは、日を改めて挑戦するしかありません。
絶叫娘との攻防は、ファースト・キャストの大切さを思い知らされる最高の体験になることでしょう。 一般的には、魚に絶叫されるよりも、釣り人が絶叫する回数のほうが多いみたいですが。
※画像のヤマメは♂ですが、「山女魚」ということでご理解を(^^; 引いて撮るとこんなポイントです。 魚は画面左側の岩盤下の流れに入りますが、まずはあらかじめ右岸から魚影を確認しておきます。 下に降りると角度によってはまったく魚が見えないので、動きや捕食パターンを頭の中にインプットしておく必要があります。 そして下流側からアプローチして(それ以外は物理的に不可能なので)、捕食のタイミングを見計らいながら正確にキャストするのです。
画面に映っているこの釣り人は、この場所で何度も痛い目に遭っています。
それゆえにこの時は、ヤマメに対するリスペクトの意味合いも含めて、礼儀正しく正座していました。
あっぱれな釣り人魂です。
そして幸運が訪れた瞬間、彼の狂喜の絶叫が谷間に響き渡りました。
壁際の絶叫娘を制する、壁際の魔術師の誕生です。
師走の夜、ふと思い浮かんだ初夏の日の妄想。
年が明ければ、春はもうすぐそこですものね!
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