止まらない個体数の減少…… | SST'S フィールドスケッチ
止まらない個体数の減少……
ヤリタナゴ 絶滅危惧砧これまで年に2回のペースで「ヤリタナゴ」の退避作業に関するレポートをお知らせしてきました。
群馬県に唯一残された生息地は農業用水路のため、定期的なメンテナンスが必要です。
今回の退避作業は、毎年春に行われる地域恒例の堀浚いに合わせて、導水を止めた水路内からヤリタナゴを一時的に取り上げ、保護する目的で行われます。

そして今回も、結論から先に行ってしまえば、個体数の減少が止まらない状態が続いています。
昨年秋の台風に伴う大雨の影響で、水路の水が長期に渡って大増水、たくさんのヤリタナゴが下流方面へ流されてしまったことが最大の原因のようですが……


絶望的環境変化現実には様々な要因が複雑に絡み合っているように思います。

かれこれこの作業に関わるようになって8年ほど経ちますが、水路周辺の宅地化が急速に信仰しています。特にアパート等の集合住宅が飛躍的に増えました。
さらに圃場整備による水路の三面護岸が進み、生物の生息に適した良好な素堀りの区間がどんどん減少しています。
そうした負の条件が重なり合う中、今回最も気になったのが川床の汚泥化が著しく進行していることでした。
上の画像のように、固いネバネバした泥底の区間が長く続いています。
かつてはこの区間にも、たくさんの生きものたちが生息していました。
水が涸れても、ここまで無残な姿をさらすことはありませんでした。

そこで今回は探索の範囲を広げ、いつもよりもはるか下流まで水路を辿ってみたのですが……

謎の淡水エビ集団異なる用水路の流入などもあって、下流部にはまったく別の水環境が展開していました。
やけに温い水と微妙なケミカル臭、水量豊富な流れには、上流部では見当たらない生きものたちの姿がいくつか見られました。

印象的だったのは、おびただしい数の淡水エビの生息が確認できたこと。
ヌカエビの系群とは思うのですが、関東地方には釣りエサに使うためにたくさんの類似種が内外から持ち込まれています。
国産淡水エビに関する研究は、関西〜九州方面が中心のようで、関東地方の自然分布や種の同定に関する研究はいまだに確立されていないのが実情のようです。

それにしても、生きてるうちからこんなに赤い淡水エビがいるなんて……、


※ヤリタナゴは藤岡市の天然記念物に指定され、通常は採捕することが出来ません。
退避作業は市の許可を受け、文化財保護課の職員の方々立ち会いのもとに行われています。


  • 2018.01.03 Wednesday
  • 00:33
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Comment:
2012/03/05 7:11 PM, こにタン wrote:
今回、所用があり参加できませんでしたが
やはり確認数が少なかったですか・・・。
riverwalkersさんのおっしゃる通り、個体数減少の直接の原因は増水なのでしょうが
諸々の環境条件の悪化が、増水などに対するタナゴの「耐性」を低下させているのでは思います。
群馬県に唯一残された在来タナゴ個体群。万が一、これを絶滅させてしまうようなことがあれば
群馬県民の末代までの恥となりますね
2012/03/05 8:53 PM, N wrote:
riverwalkerさん今晩は。
先日はお世話になりました。

年々参加する毎に宅地化やコンクリート側溝化が進み、小魚達の生活圏が、減少していきますね。
それに伴い、捕獲数も減少傾向になっていっているのは気になるところです。
もう少し地元行政も、足並を揃える必要があると思いますが・・・。

ただ、大水で流されていったタナゴ逹がどこかでひっそりと生活していれば良いのですが。


それにしても、あの謎の水系に住んでいるエビ達は何処から来たのか不思議ですね。
2012/03/06 12:04 AM, あま党 wrote:
お疲れさまでした。

人間の住環境地域に生息している生物の営みが
いかに大変かをあらためて実感しました。

ここ最近の減少が”ボトルネック”とならなければ良いのですが・・・。
2012/03/06 9:02 AM, FUKU wrote:
毎回の皆様のご支援に深謝です。今回も残念な結果に終わりましたが、引き続き宜しくお願いいたします。増水の他にもアオサギの食害とその他の複合要因が有るのかも知れませんね。地元としては鳥対策を真剣に検討してみます。
2012/03/06 11:38 PM, riverwalkers wrote:
こにタン、
今回はいくつかアクシデントが重なり、予想以上に困難状況を見せつけられることになりました。
早急な何らかの対策が必要性を感じます。

Nくん、
タナゴたちの繁殖にはマツカサガイの存在が必須ですので、マツカサガイが生息しない水域に流されても死を待つだけです。そこがとても心苦しいところですね。
あのエビたちは、近々再調査へ出かけようと思います。

あま党くん、
過去に何度もボトルネックを経験していますから、余計に心配ですね。
早急に打開策を見い出したいものです。

FUKUさん、
いつも地元で地道な活動、おつかれさまでございます。
鳥害対策は地域ですぐに実践できることですので、よろしくお願いします。
何かの時は仲間と一緒にお手伝いにうかがいます!
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